フレームアームズ・ガール関連商品一覧ページ

Language
English

「紫陽花の妖精 アナベル」 金型用マスター原型。(文章多め)

投稿:2018年08月08日

これまで生きてきた人生の中で、
「金型はベリリウムで作られている」という知識を初めて得たのは学生の頃。
今から36年ほど前・・・
 
某・書籍https://www.amazon.co.jp/dp/B075299LCPの巻末座談記事でした。
         ↑ リンクはアフィリエイトとかではないのでご安心ください。
 
ども。 開発の蓬莱鳥です。(`・ω・´;)ノシ
ちなみに “素組み” というと、“パチ組みしたもの” ではなく、“無改造だけど接着して継ぎ目消して色塗って組んだもの“
・・・のほうをそう呼称してしまう世代。
 
 
あの “水兵 リーベ 僕の船” の中でも、
一般の生活をしてる人にとっては アルゴンと並ぶぐらい普段は耳にしない元素。ベリリウム。

まあ、金型にはベリリウム合金以外の色々な材質のものもあるんですが。(^-^
 
 
 
****************************
 
 
というわけで先々週、「アナベル」金型用のマスターになる原型 が来ました。
通称「ベリ原型」。
 
ちなみに「ベリ原型」とは・・・ 詳しくは「ベリ原型 キューポッシュ」でググると、
開発Tの2014年の記事 が引っ掛かるので、そちらをお読みくださいませ。
 
 
で。 アナベル。

工場で「舌」パーツを紛失(※)したらしく、肝心の顔まわりはお見せできません・・・残念。
(※現時点ですでに中国で新造修復&調整は完了しています)
 
ちなみにベリ原型はパチパチと組みあがるようなものではないため、
全体を組むためにはあちっこちをマスキングテープとかで留めなければならなかったり
(金型用の大事なものなので接着は出来ないため各所をテープで仮留めしています/上の画像の頭頂部参照)
他にも、PVCの柔らかさを利用して組み上げる構造にするため、元
は数パーツだった部分が一体化されたり、
曲線が直線に置き換わっていたり、ベリ原型の形状では組むことが出来ないパーツなども存在します。
 
なので。 たとえ後ろ姿でも全体像はお見せできない事情があります。 ご容赦を・・・
 
 
さて、
なぜ ベリ原型(もっと縮めて「ベリ」とも)と呼ばれているのかについては、
おそらく前述の ベリリウムに由来する のでしょうが、
誰がそう呼び始めたのか私にはよくわかっていません。
そんな知識なくても困らないから調べたことも尋ねたこともないので・・・
 
ググってもほとんど出てこないということは、業界用語でもなさそうです。(^_^;
(でも版元さん、雑誌社さん、他メーカーさんとの会話とかではほぼ通じます)
 
ともあれ、
ベリリウム合金ではない他の材質の金型用のマスター原型だろうが、
物質的な原型が存在しないデジタルデータ原型の形状チェック用のものだろうが、
とりあえずうちの会社ではおおむね全部、「ベリ原型」もしくは「ベリ」と呼んでます。
 
 
****************************
 
 
今回、いちばん気掛かりだったのがシースルーの衣装パーツの仕上がり。
           赤矢印のここです↓

できるだけ分割したくない! なぜなら下が透けて見えるほど薄いため、
もし分割した場合、そのパーツ同士の接続部分が丸見えになりかねないので。
 
 
左半身側は特に問題無く一発抜きできる造形なのですが。(画像はデコマス)

 
どう考えても右半身側は一発成型が無理っぽい感じ!
 
そのためなのかな?
原型氏さんも、きっと分割されてしまうだろうという判断があったのか、
接続部分がつくられたとしても腕で隠れるようなところに分割を入れてくれていましたが・・・
 
 
 
なんと! 右半身側も分割無しのワンパーツになるとのこと。
 
工場からあがってきたベリ原型は分割されていた部分が一体になっているうえ、
原型と比較しても、ほぼ違いの判らない形状に仕上がっていました。

 
 
やったー!
 
 ・・・・・・という喜びも束の間、問題は裏側。
 

なんでこんなにデカい嵌合が!?( ̄д ̄lll) しかもこれ、左半身側にもあるんです・・・
まあ、確かにセオリー通り作るとしたらこれぐらいの大きさや位置 なのはわかる。
 
 
    わかるがッ!!! わかるわけにはいかんのだ!!!
 
 
・・・・
 
というか、原型を工場に送る際に一緒に送った 注意指示書 があったのですが、
工場がちゃんとその通りに作っていなかっただけというオチ なんですけどね・・・
 
指示ミスかと思って焦ったジャン・・・
    いや、図まで作って指示してるので、それが夢じゃない限り指示抜けなんて有り得ないんですが(―_―;
  
こういう工場の読み落とし抜けや、読み取りミスなど修正していくのも開発のお仕事です。
 
 

 
というわけで、最初に想定していた嵌合の大きさ/形状に近付けるため・・・
 
 腕や髪で隠れる部分だけを残す最小限の形状に変更。
 見る角度によってどうしても露出する部分は上衣の皺にあわせた形状にする。
 背中の固定は上端のモールドおよび布の端にあわせて極小のものを新造。

  
・・・そうすると、こういう修正指示になります。
           ↓

 
 
そして先週、画像にて返事がありました。
           ↓

うん、まさしくそんな感じ。 これで安泰。
 
 
ちなみにうちの会社では「嵌合」もしくは「ほぞ」のことを、「ダボ」って呼んでいます。
 

着脱のための嵌合は普通に「嵌合」と呼んだりもしますが、
接着のための突起と凹みは、おおむね「ダボ」「ダボ穴」って呼ぶことが多いです。
上の画像の修正指示に「ダボ」って書いてあるのはそういうこと。
 

 
誰がそう呼び始めたのか、たぶん誤用がそのまま定着したのではないか とは推測できますが、
私には良くわかっていません。そんな知識なくても困らないので・・・
 
ただひとつ言えることは、いままでずっとそう呼ばれてきているので、
「ダボ」って書かないと工場とのやり取りにも齟齬が生じそうな気がして、
私も素直に「ダボ」と言ってます。(^_^; ちなみに工場へは「ダボー」でも通じるっぽいです。宇宙犯罪組織っぽい(笑)
 
 
****************************
 
 
この段階では他にも、原型からベリ原型に置き換わる際に・・・
 
角度や長さなどが変わった部分、
パーツの分割や一体化が発生した際に造形物として不自然になった部分、
モールドやシャープさが損なわれた部分、
パーツ同士ののズレや隙間が発生している(または成型時に発生する可能性がある)部分、
場合によってはデコマス段階で気付いた原型形状の不具合、

・・・などなどがあれば洗い出して、工場に修正させたり、対策を立てさせたり、
造形にかかわるような繊細な部分は日本の原型師に修正してもらったり、
 
そんなこんな指示を出す感じです。
 
 
 
ではでは。(`・ω・´)ノシ
 
 
蓬莱鳥
 
 
 

4-LEAVES 1/6scale
Tony’s
ヒロインコレクション 「紫陽花の妖精 アナベル」  >>> 製品情報はこちら
12月発売予定/14,000円(税抜) 
 
 
 
 
©Tony

NO COPY
トップへスクロール
コトブキヤオンラインショップ お客様サポート ピックアップ