EXエピソード魔獣追討完結あとがき ヘキサギア文芸チームより

ヘキサギアシリーズプロデューサーのYUKIです。

昨日EXエピソードの「魔獣追討」が最終話を迎えました。

まずは作品の投稿締切から完結までに約4年もかかってしまったことをお詫びいたします。

EXとあるように本筋のエピソードではないのですが多くのユーザー作品と交わることによって作品世界に“深み”が生まれ、より魅力的な世界になったのではないかと思います。

公式ガバナーの糸山氏と桑村氏にプロット版を渡して1年後にようやく全25話を公開することができました。

まずはこの二人の仲間に感謝。受け継ぎ、最後まで一緒に走ってくれてありがとう。

締めくくりとしてヘキサギア文芸チームからのメッセージをお届けできればと思います。

公式ガバナー桑村祐一【商品設計/世界観設定アドバイザー】

魔獣追討 完結に寄せて
 
まずは、大変お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。

募集開始が2019年1月、あれから4年も掛かってしまいました。


あの当時、アグニレイジ発売を受けて、空戦型の活躍機会のある舞台を用意したいとYUKI氏が話していたのを覚えています。
(ブロックバスターとモーター・パニッシャーはどちらかというと陸軍で運用されるイメージで色々書いていました)
そして熱砂の暴君でラストをさらっていったレイブレード・グライフという反則?を、今度は追っていく、と。
物語としても連続性があり、続けて参加してみよう、熱砂の暴君の様子をみて参加してみようと盛り上がるのではないか。
 
実際の作業工程としては、YUKI氏のプロットと投稿作品の設定を読み込んで場面状況を掴みつつ、
これが魔獣追討だけで終わらず、ヘキサギア世界の物語の中にも組み込まれるよう、
各人物・陣営の意図や動機の曖昧(※に思えた)部分を考え、戦闘シーンに戦術や協調や状況ごとの制約を考え、
プロットで描写されたセリフの応酬、活躍を軸に奥行きを増やしていきました。
 
便乗してヘキサギアの世界観を掘っておくのも忘れません。
結果としてアナデンや第4ゲートブリッジはYUKI氏の想定よりはるかに大きな舞台装置になったと思います。
どうしてこんなことに。
 
留意した点としては(熱砂の暴君でもそうでしたが)
作戦に参加していただいた戦力(作品)は、原則として戦闘の勝敗に関わらず「明確な死亡退場」にはしない。
勝っても負けてもそれぞれのタイミングで退いていった、というのを意識していました。
何しろ4年です。ガバナーの皆様を見ていると、魔獣追討に参戦した機体がその後も改修されて活躍しているとか。
戦い抜いた上で次の戦いに備えられるよう、お返ししたつもりです。
元通り修復して復帰したか、更なる強化を目指して改修したか、それとも……人知れず斃れたのか。
この続きはガバナー各位でキャラクターを育てていただければと思います。
そういえば一部、完全に破壊された機体もいましたっけ……
 
やり終えた後に残っているのは、終わってしまった寂寥と、やはり4年もお待たせしてしまった申し訳なさです。
だからこそ読んでくださった方々には感謝の気持ちで一杯です。
本当にありがとうございます。
 
YUKI氏にも感謝。熱さと冷たさを両立してうねるストーリーは見事でした。
そして糸山氏にも同じく感謝。彼の参戦が無ければ更に遅れていた可能性が高いです。
いや、地の文章力が違いましたね。
 
 
最後にどうでもいいこぼれを一つ、聞いていってください。
レイブレード・グライフが頭部に装備しているチェーンガン。
チェーンガン自体はレイブレード・インパルスのものですが、銃架は私がこっそりと遊びで作っていたものです。
2軸可動で射撃範囲も広く、車輪が収まっていた容積をすべて弾倉として利用すれば相当な数の弾が積めるのではないか。
フロントフォーク?が反動制御に寄与しなさそうのは、そこは諦める方向で。
YUKI氏に渡したら色を塗って採用して貰えました。嬉しかったです。いや、色を塗ったのは糸山氏だったかもしれません。
 

公式ガバナー糸山雄大【商品企画/世界観設定アドバイザー】

終わった……長かった闘いがようやく終わったやで!

YUKIさんの熱いプロットに桑村さんの緻密な設定考証が付与された状態のラフを預かって、私の担当は主に「読み物としての緩急」と「世界観の中での価値の調整」であったと自認しているのですが、こうして無事完走出来てほっとしております。比較的殺伐としがちな戦記物でありながら、「人と人」または「人と機械」の絆、そしてそれぞれのペアごと関わり合いを見ながら胸が熱くなり目頭がじんわりするような感動を感じて頂けたのであれば、私のミッションは成功かな?と思っています。

振り返れば、三者で互いに譲れないラインについて幾度も修正稿を書きあって調整した日々が懐かしい……。

長かった編集作業の最後の最後、ご参加いただいた皆さんのガバナー名と作品名のクレジットを確認する際に“もう一度すべての作品に目を通す”という機会がありました。惜しくも本編に登場できなかった作品にも魅力的なアセンブルや熱い設定がたくさんあり、陣営を問わず共にこの戦役を戦い抜いた“戦友”である、と感じました。この仲間達とであればまだまだいくらでも胸アツなエピソードを産み出せそうだったのですが……さすがにこれ以上お待たせする事は出来ないと思い、泣く泣く完結とさせていただいた次第です。改めて、参加ガバナー諸氏には対しては感謝、感謝しかありません。

皆さんご存じの通り、ヘキサギアは「すべおま」の精神で出来ております。公開された魔獣追討本編では描かれなかった戦闘や戦役前後の暗闘、果ては新たなミッションなども含め、これからも皆さんの創造性の赴くままに機体や人物、エピソードを創作していただければ幸いです。(というより是非見せて頂きたい!)今後ともヘキサギアを一緒に楽しんでいきましょう。 

ヘキサギア「ミッション02魔獣追討」お疲れ様でした!                  

2023年1月11日 公式ガバナー 糸山

 

ヘキサギアシリーズプロデューサーYUKI【商品企画/世界観設定:ストーリー原案/デジラマ制作】

まずは感想から

「楽しかったのは確かですが同じことは二度とできないと思うくらいには超しんどかったです(笑)」

このミッションのエピソードについて解説すると【熱砂の暴君】が90分のアニメ映画なのに対して【魔獣追討】は分割2クールアニメのつもりで書きました。作品投稿数はVFが多かったので書き始める前からLAには何かしらの大ダメージを負わせることが宿命づけられていました。

主演はフリット・バーグマン。エピソードではアーマータイプ:ポーンA1を装着し、白いロード・インパルス【アルバ】を駆る青年です。いかにも主人公らしい正義感溢れる好青年に描いています。ミッションは基本的に軸になるキャラクターを作ってその周辺に投稿作品を配置していってドラマを作っていくようにしています。

相棒のロード・インパルス【アルバ】のKARMAは「アルバトロス」。彼にはゾアテックス中のKARMAの思考がどうなっているのかを見せるために最後まで頑張ってもらいました。よく頑張った、えらいぞアルバトロス!商品化したいぞ!

ヘキサギアの世界においてガバナーとKARMAの友情というのは私が公式エピソードの中で描きたかったテーマの一つでありますが、商品用の機体解説(1000文字足らずの文章)では書きたいことが書けていないため、関係性のイメージを上手く伝えられていなかったな~と感じていたのでちゃんと描けて嬉しかったです。

そして長らく謎が多かった結晶炉の獣人こと「ゾアントロプス・レーヴェ」には物語中で暗躍してもらうダークヒーローのように登場してもらいました。アーマータイプのようにたくさんいる存在ではないネームドのキャラだけに、キャラ人気は高いものの商品用テキストでの登場回数が少なく描き切れていない部分が多かったので、この機会に沢山書かせていただきました。

他のガバナーが特殊な武器等を持ってはいても通常の兵士という扱いの中、まるで違う作品から登場している「ヒーロー」のような扱いになっており、戦闘の描写も私の好みが前面に押し出されたものになりました。

今バンディットホイールとゾアントロプスのセットが欲しくなっているユーザーが多いんじゃないかな。

このキャラクターについては魔獣追討の中にもヒントが隠されており、ある重要なキャラクターとの関係性が分かるようにしています。答え合わせはするつもりないですけどね。

さて、私の考えるキャラクターには“敢えて”らしくないことをやってもらい性格を強調するということがありますが、今回はユーザー投稿作品でもやりました。どの部分かわかるかな?

皆さんの投稿作品は各エピソードのゲストキャラでありつつ場合によっては主役級の活躍をしていただきました。ユーザーさんのキャラクターを使った「ストーリーの組み換え作品」のつもりです。

オフィシャルサイトの基本設定部分が3mmやヘキサグラムの互換性と思えば納得感の強い説明になるのではないでしょうか。

投稿作品に記載されていた設定や活躍シチュエーションを読み込み、自分も含めて滾るようなシーンを描くということに「42年生きて得た自分の中にあるものをすべて出し尽くす」ような感じで臨みました。小説、アニメ、ゲーム、映画、特撮作品などから吸収して出てきた自分を熱くさせるシチュエーションをこれでもかと盛り込んだつもりでおります。

完成してみれば本文の文字数で92693文字。400字詰め原稿用紙で231Pにも及びます。

 

うん。文庫本一冊描き下ろしたんだね(笑)プロット版ですら65000文字ありましたがそこからさらに描写が細かくなっていってこんなことになりました。

「熱砂の暴君」の約3倍…

※我々はプラモデルメーカーの商品企画と原型を作る部署に所属しており、文章を書く部署ではございません。

 

さて、この先は完成したから書けるあとがきのようなものです。公式イベントとしてのミッションが今後行われる可能性は限りなく低いと年末のブログで書きました。この4年間、本業(商品企画)の合間を縫って何とか完結させることができましたが、同様の内容を企業として継続するのは非常に困難と判断し、ミッションはこの魔獣追討にて終了のつもりでおります。

この先ミッションが行われるとしたら規模を縮小した上で

YUKI以外の誰か「もう一度この地獄の作業をやる覚悟ができた時」となります。

ミッションを2回運営した結論から言うとものすごく精神力が必要です。必死でやりました。その結果メンタルが持っていかれました。

後悔先に立たず…友達グループ数人でやるノリで始めてしまい、事前に見積もりができていなかった膨大な作業たち。

投稿作品は

リバティー・アライアンス:69作品

MSGヴァリアントフォース:73作品

ヘテロドックス:72作品

合計214作品。当時レギュレーションチェックだけでも大変だったのは言うまでもない。ここからさらにどんな盛り上がりをする物語を描くのか考えないといけない。

しかし自分たちは3人しかいない。そして物語の指針を決めるのは自分自身。

だって言い出しっぺだしプロデューサーだから。

大げさじゃね?と思われるかもしれませんが「まじでしんどかったんやって」

何にそんなに時間がかかるのかと言うと…実は登場作品の選出でした。

この先、物語が締めくくりに向かって進んでいく過程で、メインストーリーとして描くべき内容を描けなくなる“可能性が少しでもある作品”を選出すると、予定が大幅に狂ってしまい本来描くはずだったエンディングにたどり着けなくなってしまうということで作品選出には非常に頭を悩ませました。

できるだけ多くの機体を登場させてあげたい。しかしユーザーさんが作り上げた作品の中には本筋に影響を及ぼす可能性がある内容が含まれているかもしれない…そのため、作品選出は本筋の中でも重要な役割を持つ「SANAT」をはじめとするメインキャラクターの未来や過去を改変する必要がない作品に限定させていただきました。そのうえでさらに話のボリュームが膨らみすぎないように登場作作品を選出させていただきました。

しかし登場しなかった作品もカメラに映っていないだけでもしかしたらこの物語にいたのかもしれない。

というようにIFの物語を考えてみるのも楽しいかもしれません。

魔獣追討番外編【アウト・オブ・フォーカス】とかね。

 

そしてもう一つ…

ユーザーによって「活躍の仕方に納得してもらえるか」のポイントが異なるところも難しいポイントでした。

くわむ―も書いていましたがキャラクターを明確な死亡退場にはしないという点については非常に気を使ったポイントです。前作「熱砂の暴君」ではオールイン・ジ・アースに踏み潰される役で良いので登場したい!というユーザーさんもいましたが、すべてのユーザーさんが同じであるわけはなく、それぞれで違う感想を持っているわけです。

この投稿者さんは劇中での扱いをどう思うだろう…と考え始めると一向に前に進まず時間がかかってしまいました。

最終的には開き直り、全員を満足させるのは無理だゴメン!とりあえず全力でやりました!

ということでようやく公開にたどり着きましたが、そこに至れるまでの後悔や迷いが4年も時間がかかった理由です。

 

4年…本文を見ると涙が出そうになりますね。

私の仕事はプラモデルの企画なのでテキストを書くためにじっくりと時間をとって書くことはできません。

ミッションは基本的に通常業務に含まれないので色々お察しください。

この4年間、ガバナーのみんなから色々言われてきました。

魔獣追討まだなの?この言葉が一番胸に刺さって辛かったな(笑)

お待たせしている間に離れていったガバナーも多いと思います。

こんなに待たせてしまって本当に申し訳なく思っています。

メガミデバイスの生配信で浅井さんや鳥山さんの前で「会社から怒られるようなことがあっても死ぬわけでは無いんで」とか言った私でも「一緒に遊んでいるつもりのユーザーに嫌われるのは怖かった」

自分が面白いと思った内容を見返して、色々悩んで書き直しもしました。

色んな感情が頭の中をぐるぐるしており、執筆中に抱いた感情や本音はとてもじゃありませんが他人に話せるようなものではなかったな~と思います。

笑い話にできるようになったらいずれどこかでお話しするかもしれません。

一つの区切りとして物語を公開したばかりのタイミングではありますが…

みんなには公式の世界にとらわれずに自分の世界で遊んでもらえた方が嬉しいかもしれない(笑)

合言葉はいつも「すべおま」で。

 

一つ重要なお話です。

魔獣追討完結を境にヘキサギアの担当を公式ガバナーの糸山氏に引き継ぎします。

一緒にやってきて彼ならYUKIが死ぬ気で生み出した「HEXA GEAR」を渡しても大丈夫だと思えたからです。

しばらく先のアイテムまで仕込みはしてありますがここからメイン担当(プロデューサー)は糸山氏です!

担当は変わってもシリーズは継続していくのでそちらはご心配なく。がんばれ糸山~♪

どうしても自分で宣伝したい企画がある時はまた戻ってきますのでその時はどうぞ宜しくお願いします。

なんだかんだとありましたが「魔獣追討」個人的には映像で見たいくらいには熱いストーリーになっているかと思います。

 

というわけで4年間大変長らくお待たせいたしました。好きな人は何度でも読み返して楽しんでください。

 

 

オフィシャルサイトのレイブレード・グライフの画像は背景が暗いので背景無し画像を置いておきます。

商品として存在しないパーツもありますが、アレンジして制作したいガバナーの役に立てば幸いです。

 

 

※ここから先は魔獣追討を完結まで読んだ方向けに書いている内容があります。

未読の方は飛ばしてください。

 

 

 

↑17話のデジラマに使用した画像の別アングルバージョン。

私が書き溜めていたプロットは魔獣追討以外にも「LATミラー」が主役のものや、「ランバージャック」が主役のレイティングゲーム、「白麟角とゾアントロプスの邂逅」「竜撃戦」「ラストエピソード」などなどありましたが、まずは魔獣追討を完結させないとまずいよな…と思い未発表のまま発売から長い月日が経ちました。これらは文芸チーム(糸山/桑村)へ渡しておきます。必要があれば読めるような内容にまとめて公開されるでしょう。

しかし完結した時にはウィアード・テイルズすら発売済みというのは本当に予定外だった…本来なら魔獣追討完結後にウィアード・テイルズの機体解説が公開される予定だったのに…

なぜウィアード・テイルズにインペリアルロアーが実装できているのか本編を読んだ人ならなんとなくわかるのではないかと。

その他にもボルトレックスLA仕様に搭乗していた白いイグナイトがどういう存在だったのか?
など謎のままとなっていた部分を補完する意味合いもありました。

そして、主演のフリット・バーグマンが装着しているアーマータイプ:ナイトがすでにメーカー完売して久しい状況だし、商品販促の役に立ってないじゃないか!という反省だらけでございました。ストーリーの書き方の本を読んで勉強しながら書きましたが、ものすごく時間がかかったし難しかった!全然スケジュール通りに進まなくて本当にゴメン。

やる気だけではうまくいかないという今回の教訓は今後に生かしていくようにします。

この後はレイブレード・インパルス【Reloadead】の発売に向けて本筋主人公のアッシュ君のエピソードを書くべきなのですが、とりあえず糸山氏とくわむーの二人に任せてみようと思います。

こっちは2018年3月22日にエピソード002を公開して以来…

5年も休止したままだったので思い出すところからですが、当時に比べてたくさん機体が登場したので書きやすいと思います。当時はハイドストームが最新で執筆時点で全機体を登場させてしまっていたのでこの先どうしようと悩んだものです(笑)

 

また不定期な更新となるかと思いますが「公式エピソード読みたいな」とか「ヴァージニアちゃんかわいい!」したい時にはオフィシャルサイトを覗いてもらえればと思います。

 

それでは本日はこの辺りで失礼。

また次回。

 

企画・総合プロデュース:YUKI

魔獣追討執筆:YUKI/公式ガバナー糸山/公式ガバナー桑村

スペシャルサンクス:一般ガバナーのみんな

© KOTOBUKIYA

関連作品

TOP