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【撮影秘話】コトブキヤ専属カメラマンが綴る!撮影秘話 -海ロケ編-

ディアマスターの皆さん、こんにちは。

コトブキヤさんの製品撮影を担当させていただいている、カメラマンの久保田です。

前回、エルメダさんの撮影の裏側を寄稿させていただき、たくさんの方にお読みいただいたとの事、誠にありがとうございました。また、エルメダさんのブログが好評だったとの声を受け、再び寄稿させていただく事となりました。

今回も撮影の裏側に加え、撮影のテクニックカメラの設定のしかた等もご紹介いたしますので、最後までお読みいただけますと幸いです。

それは、またまたばーちーPの思いつきから始まりました。

私服ルミティアのデコマスが上がり、コトブキヤ社内のスタジオで撮影していた時のこと。

ばーちーP「ルミティアめちゃ可愛くないすか?」
私    「そうですね。最高です!」
ばーちーP「ルミティアとデートしたくないすか?」
私    「う、うん・・・w、そうですねw」
ばーちーP「海デートしましょう!」
私    「はい?w」

ちょっと何言ってるかわからないですと、私が怪訝な顔をしていると、

ばーちーP「ルミティアを海に連れて行って撮影できませんか?テーマは海デートです!!!」

・・・ふむ、出ましたな。無茶振り。しかし、自然光を使ってこれだけクオリティの高いデコマスを撮影したら面白そうだし、そして、他とは一味違った写真を求めるばーちーPの熱意。何より、海での撮影超楽しそうだよね!
これは・・・アリ寄りのアリですな。

ということで、日時を決め早朝に私のスタジオに集合し、せっかく海までロケに行くならと、他のディアーズたちも連れ皆で旅立ったわけであります。今回のロケメンバーは、ばーちーP と新人企画のどんぐりくん、広報担当さんと私。そしてディアーズたち。
心配していた天気も、自称太陽神ばーちーPの神通力により、快晴。しかし、神通力も風までには及ばなかったのか、風速15mの爆風。幸い、西の風でロケ地は東側。風ウラになるので、なんとかはなりそうですが万全の環境とは言えません。
もちろん事前にどのような写真を撮るか打ち合わせはしていますが、どんぐりくんと広報担当さんが持ってきたのは、私が思っていたより大量のバケツや左官道具
さてさて、どんな写真が撮影できるか楽しみです。

車を走らせ、海岸線に出るとみんなテンション爆上がりです。しばらく走り、予定していたロケ地に到着して早速準備を始めていきます。

ディアーズたちを準備する、ばーちーP、どんぐりくん、広報担当者さん

先日の配信をご覧になった方はご存知かと思いますが、どんぐりくんと広報担当者さんは撮影用の背景の準備に入ります。

何やら作るようですが・・・

二人が背景用の準備をしている間に、ばーちーPと私は別の撮影の準備に入ります。
流木の上に設置するのに苦労しました。

ばーちーPがポージングして、私が撮影の準備をしている様子

そして最初に撮影したカットがこちらです。

F8、1/200秒、ISO100、白レフ使用

太陽の位置が被写体より後ろにある為、白いレフ板を使って正面を明るくしています。
また、風もある為、ブレないシャッタースピードで撮影しています。後述しますが、風がある時に撮影する時はシャッタースピードかなり重要になります。
撮影時は冬の為、雲ができるか心配していましたが良い雲が出ていて、夏の海に遊びにきたような雰囲気の素敵な写真が撮れました。

1カット目を撮り終わり、背景準備をしているどんぐりくんと広報担当者さんを確認すると、だいぶ進んでいる様子です。

土台のような物ができています
勘の良い方はもうお分かりかと思いますが、アレを作っています。
アレの準備がまだまだかかりそうですので、ばーちーPと私は次のカットに取りかかります。

脚立にフライングベースを固定して設置しています。
波打ち際のカットを撮るために、際までかなり近づいています。油断するとルミティアさんが漂流してしまうので、緊張感が漂います。

そして、撮影したカットがこちらになります。

F16、1/80秒、ISO400、白レフ使用

F16、1/100、ISO400、白レフ使用

どちらも笑顔の眩しいカットが撮れましたが、ここで大切なのがこの写真に何を求めるか。今回は海にデートに来たことが重要なので、アップの写真よりちょっと引いた方が海に来た感じが伝わると思います。
またカメラの設定でISOが400になっているのは、シャッタースピードを稼ぐ為です。こちらについても後述させていただきます。
スカートの透け感が伝わる素敵なカットになりました。

さてさて、アレの進捗はどうかと目を向けますと、

で、出来てる・・・!?

そうです、二人が作っていたのは砂の城
完成間近と思いましたが、進捗率は60%くらいとの事。

ここで一旦、お昼休み。
砂の城は乾いてしまうと崩れてしまうようで、広報担当者さんが常に水をかけて管理している間に、ばーちーPとどんぐりくんがハンバーガーを買いに行ってくれました。

浜辺で食べるハンバーガーは最高の味
満足の昼やすみが終わり、作業を再開していきます。

次のカットは、どんぐりくんがディレクションしてくれる事になったので、築城は広報担当者さん、ばーちーPとどんぐりくんと私は次の撮影の準備を始めていきます。
次のカットのテーマはピクニック。浜辺でディアーズたちとの癒しのひと時です。

どんぐりくんはディレクション&モデル担当
風が強くなってくる中、悪戦苦闘しながらディアーズたちを配置していきます。
敷物がめくれたら、全て飛んでいくので細心の注意が必要です。

そして撮影したカットがこちらになります。

F16、1/80秒、ISO100、白レフ使用

モデルは、イケメンのどんぐりくん。さすがイケメンは映えます。
人物の影がメインのディアーズたちにかからないように座ってもらい、ドリンクは綺麗な色が出るように自然光が当たる位置に配置しています。
このような集合写真の場合、被写界深度(ピントの合う奥行き)を深く取る必要があるため、F値は大きくしています。少し専門的な話になってしまいますが、同じレンズで同じF値でも接写すればするほどボケは大きくなり、引けば引くほどボケは小さくなります。
先に紹介していた写真でもF16で撮影してるものもありましたが、同じF16でも引いて撮るか、寄って撮るかで見え方が変わってきます。

そして、集合写真には目線があるものも欲しいですよね。
同じシーンでもう1カット撮りました。

F16、1/100秒、ISO100、白レフ使用

誰もまばたきもせずに、素敵な集合写真になりました。
背景の明るさより、被写体が明るく見え、より強調されているように見えるのはレフ板の効果です。

ここで、どんぐりくんは築城に戻り、またまたばーちーPと私は別の撮影をしていきます。

次は、ばーちーPが海に来たら絶対やりたかったこと。
気合いを入れて準備をしていきます。

コテの当たっている部分にこだわりがあるらしい

そうです、ディアーズたちを砂に埋める事
これ、デコマスを制作した方が見たら激怒しそうな感じですが、安心してください。実際は埋めているわけではなく、頭が置いてあるだけです。
それでも砂はついてしまうので、なかなか〇〇れてますよね(いい意味で笑)

そして撮影したものがこちらになります。

F16、1/100秒、ISO200、白レフ使用

それぞれの表情が豊かで微笑ましいカットが撮れました。
皆さんはどこの表情がお好みでしょうか?私はこのカットではユクモさんが好みです笑
このカットではF値とシャッタースピードを稼ぐため、ISOを上げています

このカットを撮り終えた頃、築城の方はというと・・・

どーん!

す、素晴らしい・・・。さすがはコトブキヤ社員。
築城班長の広報担当者さんは納得度65%との事ですが、あまり遅くなっても日が落ちてしまうので、こちらで撮影を進めていく事としました。

影を見ればわかりますが、だいぶ日も落ちてきています
まずは、完成を記念して集合写真。

F18、1/100、ISO200、白レフ使用

すでに砂の上にディアーズたちを置くことも気になりません笑
築城班のおかげで最高のカットが撮れました。
ここでアドバイスですが、大きいものを背景に小さいものを撮る場合は、背景に被写体を近づけすぎない事です。
わかりやすい例で言うと、東京タワーと人物を一緒に撮る場合、東京タワーのすぐ近くで人物を撮っても、東京タワーの足元しか写りません。多少背景がボケてしまったとしても、離れた位置に被写体を置き、背景も全体が写るようにすると写真の意図も伝わります。

集合写真が撮れたところで、お城にディアーズたちを配置して撮影していきます。

風が強く、レフ板を支えるのも一苦労

撮影したものがこちらです。

F16、1/80秒、ISO200、白レフ使用

このように、大きいものと小さいものを近づけて撮影すると、被写体は小さく写ってしまいますが、この写真については砂のお城で楽しんでいるディアーズたちの雰囲気が伝われば良いので問題ありません。

さて、お城での撮影も終わり次は最後のカットです。
まずは形を変えてしまった砂浜を現状復帰させてなくてはならないので、築城班に元に戻すように伝えましたが、ギリギリまで崩しませんでした笑

次に予定していたのは、夕焼けの写真

冒頭お話ししたように、西の風15mです。当然、太陽は西に沈みますので西側に行かなくてはならないのですが爆風です。まともに撮影できるかどうかわかりません。
ばーちーPはじめ、築城班も風ウラにいたので大した事ないと思っていたようですが、普段海釣りをする私としては、風ウラと風オモテの恐ろしいほどの違いを知っています。
意を決して、西側に着くと思った通りの爆風。

皆さん   「ヤバないすか!?この風」
私     「はい、言ったでしょ?w」
ばーちーP  「でも、なんとかして撮影できないすか!?」
私     「え!?風の音で何て言ってるか聞こえませーんw」
ばーちーP  「気合いで撮影してくだひゃぁぁい」
私     「・・・なんとかしてみますw」

立っているのもしんどい爆風
足で三脚を押さえ、デコマスはシャッターを切る直前まで手で押さえての撮影です。
風がおさまったタイミングを見計らっての撮影ですが、どんどん太陽は沈んで行き、気が気じゃありません。

そんな中で撮影した写真がこちらです。

F16、1/125秒、ISO1600、白レフ使用

F11、1/200秒、ISO1600、白レフ使用

夕日のオレンジ色が綺麗な写真ですが、私としては正直、納得できる写真ではありません。爆風の中なんとか撮影したカットです。
先ほど、後述をするというお話をしましたが、ここでお話しさせていただきます。
少々ややこしい話になりますので、興味のない方はスルーしてください。

まずはF値とシャッタースピードの関係についてですが、F値が小さくなればシャッターは早く切ることができます。ではブレない為にはF値を小さくすればいいのではという話になりますが、F値が小さくなるとボケが大きくなります。
撮影している対象が小さいので、前述したように寄れば寄るほど背景のボケが大きくなるわけです。背景がボケすぎてしまうと、何を見せたいのかわからない写真になってしまう為、必要最低限のF値がどうして大きくなってしまします。
そうすると、シャッタースピードは遅くなってしまうので、ブレが大きくなります。
被写体が動いてブレてしまうことを被写体ブレと言いますが、被写体ブレも寄れば寄るほどブレ幅が大きくなってしまいます。
そこで、F値をキープしながら速いシャッターを切るにはどうしたらいいかと言うと、ISOを上げます。ISOというのは感度の事で、感度を上げると少ない光量でも撮影できるようになるので、早いシャッターが切れるようになります。
では、ISOを上げまくればいいかというと、そういうわけにはいかない理由があります。
ISOを上げる最大のデメリットは画質が荒れるという事です。ですので、ISOは極力上げないようにして、綺麗な画質で撮れるギリギリを狙っているわけであります。
夕日の写真については、風さえなければISOを落として、シャッターを遅くしてもブレないように撮れたわけです。

少々長くなりましたが、F値(絞り)とシャッタースピードとISO(感度)は、三つ巴の関係にありますので、興味がおありの方は覚えていただければと存じます。

さて、今回のブログはここまでとさせていただきますが、カニや貝殻や水しぶきなど、計画していて時間的な都合で撮影できなかったものもあります。
また機会があれば撮影に赴きたいと思いますので、楽しみにしていただけますと幸いです。

ディアーズたちとの撮影はとても楽しいものだと私は思っております。皆さんにも写真撮影を楽しんでいただけたら嬉しく思いますが、周りの迷惑などにならないように気をつけてくださいね!
もちろんディアーズたちに限らず、コトブキヤ製品との撮影も楽しんで下さい!

ちなみにですが…

2025年3月6日(木)11時00分から
『ルミティア ReACT-iF』
メーカーご予約受付開始!!

その後順次、各社通販サイト様やお近くのお店でも予約開始となりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。


おまけ。

チームアルカナ&私


HotLens K-studio

カメラマン 久保田憲
ホビー撮影歴20年以上。
趣味は釣りとキャンプ。
ホームページ:https://www.hotlens-kstudio.com

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