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【撮影秘話】コトブキヤ専属カメラマンが綴る! 『エルメダ』デコマス撮影秘話

ディアマスターの皆さん初めまして。
コトブキヤさんの製品撮影を担当させていただいている、カメラマンの久保田と申します。

今回、ばーちーPの思いつきによる無茶振りから素敵な写真が撮れましたので、緊急寄稿させていただきました。
撮影のテクニック等も紹介致しますので、最後までお読みいただけますと幸いです。

それは、当スタジオにてエルメダの撮影をする当日朝の事。
ばーちーPからのLINE。

・・・ふむ。出たな無茶振り。突然ロケに行きたいとは、また無茶を言い出したな。まぁ、いつもの事だし慣れてますけどね。

と、冷静に返信。

実際、ばーちーPからの無茶振りから良いモノが生まれる事も多く、邪険に扱う事はできません。確かに、エルメダは水属性なのでスタジオで水を使った撮影をするつもりでしたし、川で撮るというのは悪くない。そしてこの天気、雲ひとつない快晴。何より、こんなに暖かく天気の良い日にロケしたら楽しいし、気持ち良さそうだよね!

これは・・・アリ寄りのアリですな。

という事で、スタジオに到着したばーちーPとお芋男爵くんに、

「じゃあ、行きますか!」

と伝え、それぞれ準備をして早速ロケに向かったわけであります。

突然の事なので当然ロケハン(事前に場所などを下見してあたりを付けておく事)などしていませんが、幸い私の趣味である釣りが功を奏して、水辺のある川や海での、撮影イメージに合うような場所はすでに頭に入っています。
車を走らせ現場に到着し、それぞれ撮影の準備を始めていきます。

ポージングをするばーちーP

撮影のセッティングをする私

水切りをするお芋男爵くん

そして、セッティングも完了し一枚目に撮影したものがこちら。

F18、1/8秒、白レフ使用、フィルタなし

F18、1/8秒、白レフ使用、クロスフィルタ使用

クロスフィルタを使用する事で、十字のキラキラした感じが表現された事がお分かりになると思います。
採用したのはクロスフィルタを使用したもの。
エルメダさんの微笑みも相まって、眩しすぎる写真が撮れました。

「最高のカットですね!あと水面のキラキラした感じをもっと出したやつも欲しいですね!」

と、ばーちーP。

わかってます、わかってます。まぁ、任せときなさいな。
少しだけ場所を移動して次のセッティングをしていきます。

真剣に2カット目のセッティングをしている様子。

 真剣に2投目の水切りをする様子。

そして、次に撮影したのはこちらになります。

 F8、1/80秒、白レフ使用

F16、1/20秒、白レフ使用

絞り(F値)の違いで、ボケ感の違いがお分かりかと思います。F値の低い方が、ボケが大きくなります。水面のキラキラとした質感を残すため、より奥の方までピントの合う(被写界深度)F16の方を採用しました。
今にもエルメダさんの歌声が聞こえてきそうですね!

尚、上記の写真は両方とも逆光で撮影しています。逆光で撮影する事でキラキラとした柔らかい雰囲気の写真になるわけですが、被写体が暗くなってしまう為、レフ板を使って明るくしています。レフ板は太陽光が被写体に当たる角度に調整します。柔らかい雰囲気を残したいのであれば白いレフ板がオススメです。

納得の写真が撮れたところで、ちょうどお昼の時間。
お芋男爵くんが、お弁当とお茶を買ってきてくれたので、みんなで川を眺めながらの癒しのランチ。
ロケでの撮影はここで切り上げて、次はスタジオに戻って当初予定していた撮影をしていきます。

スタジオに戻って最初に撮影した写真は、エルメダの原型を見せてもらった時から撮りたいと思っていたティザーでご紹介したこちらの写真。

 F11、1/125秒、ストロボ1灯

写真は、デコマスをテグスで吊って、テグスを後から消しています。
それ以外は特に合成などはしていません。足元の水面は桶に張った本物の水です。糸がキレたりパーツが外れたりなどしたら、一巻の終わりなのでドキドキです。
水面に書き割りの空を映し込み、水を攪拌する事で水面の揺らぎを表現しています。

同じセットを使い、次に撮影した写真がこちらです。

 F11、1/125秒、ストロボ2灯

先ほどのティザー用のセッティングにストロボを1灯足して、正面を明るくしました。
水面の表現を変えるために、スポイトで水滴を落として波紋を作りました。
波紋の形、位置、シャッターのタイミングを合わせながら、何枚も撮影した中の一枚です。

当初、私が構想していたのは、上記のカットともう1案。
もう一案の説明をしていると、

「雨の表現とかできないっすかね?」

と、ばーちーP。
はい、来ました無茶振り。

まぁ、期待されたらそれに応えるのがプロというものです。
やってやろうじゃありませんか!

無茶振りから撮影したカットがこちら。

 F8、1/125秒、ストロボ4灯

ストロボ4灯は、被写体用に2灯、背景のスポット用に1灯、雨用に1灯。
雨は、デコマスを挟んで手前と奥から、シャワーホースとジョウロで降らせています。
ここで才能を開花させたのがお芋男爵くん。私が求めている場所と強さで、見事に雨を降らせてくれました。
おかげで床は水浸しになりましたが、良い写真が撮れたので大した問題ではありません。

そして、この日最後に撮影した写真がこちら。

F5.6、1/125秒、ストロボ2灯、ソフトフィルタ使用

もはや説明の必要もありませんが、「てぇてぇ」やつです。
毎度製品撮影をする際、てぇてぇカットを要求されますので、ばーちーPの趣味なのかとさえ思っております。
ちなみに、このカットはソフトフィルタを使っていますが、プラ板を超軽―く(撫でるくらいでOK)ヤスリがけしたものをレンズの前にかざして撮ると似たような写真になりますので、是非お試しください。


という事で、今回の寄稿はここまでとさせていただきます。
また、面白い事が起きたら寄稿させていただくかもしれません。

ディアマスターの皆さんが、SNS等に投稿されている写真も拝見しています。
今回、逆光での撮影の方法やF値によるボケ方の違いプラ板を使ったフィルタ効果などの撮影方法をご紹介致しましたが、コトブキヤ製品と共に写真撮影も楽しんでいただけましたら嬉しく思います。

拙文ではございますが、最後までお読みいただきありがとうございました。


HotLens K-studio

カメラマン 久保田憲
ホビー撮影歴20年以上。
趣味は釣りとキャンプ。
ホームページ:https://www.hotlens-kstudio.com

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