ARTFX山下です。ご無沙汰をしております。
さて、今回ご紹介するのはこちらの商品です。
MARVEL美少女 インビジブル・ウーマン ULTIMATE
2024年10月発売 税込み価格¥27,500(税抜¥25,000)
こちらは2011年6月に発売した「MARVEL美少女 インビジブル・ウーマン」の再商品化です。そう。再生産ではなく、BISHOUJOシリーズ15周年を記念し、1/6スケールでの新規商品としての登場でございます。
まずは簡単なキャラクターの紹介から始めさせてください。
アメコミ初のヒーローチーム“ファンタスティック・フォー”の一員である彼女の本名はスー・リチャーズ。
他のチームメイトと同じく、宇宙実験の際に宇宙線を浴びたことにより特殊能力を得ています。
彼女の能力は当初、自身の身体を透明化するというものでしたが、その後フォース・フィールドの生成と、それを使った防御攻撃が可能となりました。
竹内剛太郎氏の原型による元商品は、今見てもその筋肉造形や、全身のメタリック塗装など色褪せない魅力を感じる商品です。
そこから13年前の時を経て、再び山下しゅんや氏のイラストに向き合い、現在のフィギュア製造技術をもって再立体化に挑みました。
しかし、これは単なる再立体化ではなく、もはや全く新しい商品の創造だったのです。
再立体化にあたって、スケールを従来の1/7スケール(全高 約23cm)から1/6スケール(全高 約30cm)にアップすることにしたのは、元の商品へのリスペクトと、今まで培ってきた技術を活かすための大きなキャンバスを必要としたからでした。
数字の上では1目盛りのアップではありますが、こうして並べると約7cmの差があり、思っていたよりも大きな変化を感じます。
髪の毛の造形にフォーカスしてみましょう。
1/6スケールならではの表現として細かな束感の表現を加え、さらにクリア素材とパール塗装の組み合わせることで風に靡く金髪の軽やかさを表現しました。
特にこの角度では、髪の毛の透明感が伝わりやすいかと思います。
また、青い瞳のプリントの描き込みも1/6スケールになったことでより奥行きのある表現が可能となりました。
当時は玉眼システムという、眼球パーツとフェイスパーツを独立させる試みを行っていました。
これはデザイン的に顔のバランスがリアル寄りなので、1/7スケールだと顔のなかの瞳の占める面積が一般的なアニメフィギュア等と比較すると小さく、瞳の曲面や細かな虹彩のプリントが難しいことを解消するための技術でした。
今回は1/6スケールとなることで瞳のサイズ自体が大きくなり(約4㎜→約9㎜)、まつ毛のプリントはもちろん、瞳に落ちた瞼の影や、ハイライトを大小プリントすることで瞳のツヤ感も再現できるようになりました。
優しく微笑みかける口元も、柔らかなピンクの唇のプリっと感はもちろん、その下の歯や舌など腔内のディテールも作ることができました。
こういった細部の表現はうっかりすると気持ち悪くなってしまうのですが、原型を手掛けたじょんじ氏の手腕でちょうど良いバランスで立体化されています。
口角の多層的な面取りもぜひ近くでご覧いただきたい箇所です。
ボディ部分は、元々の商品もブラックと見事なメタリックブルーの対比が眩しいコスチュームでしたが、今回はアップでご覧いただきますと各筋肉の表現や、透明になった先端のクリアパーツの透度、ネック部分と腰部分の梨地の表面処理など、アップデートされた部分がよくわかります。
特に、胸の4マークが立体的に浮かび上がったことで、より元イラストのイメージに近づいたのではないでしょうか。
台座についても、展開したフォース・フィールドはよりクリアな表現を用いています。
1961年に刊行された原作コミック『Fantastic Four #1』に登場したモールマンを再現した11年版から、大理石を模したベースとすることで歴史的な彫刻を思わせるミュージアム風な高級感のある本作に相応しいものになりました。
と、ここまで各所の紹介をしましたが、やはりフィギュアというのは全身で見てこそ。
そして神は細部に宿るとも言えまして、その揺り戻しなのではないかとも思います。
このフィギュアを遠くから眺めたり、また近くで細部を見つめながらBISHOUJOシリーズのこれまでの歴史の積み重ねと、これからの展望を同時に体感していただけたらと願っております。
繰り返しになりますが、BISHOUJOシリーズは今年でなんと15周年を迎えます!シリーズの歴史を感じるこのメモリアルな本作を、ぜひ手に入れてください!
© 2024 MARVEL
BISHOUJOシリーズとは?
新旧を問わず、様々なコミックス、ゲーム、映画のキャラクター達を日本人ならではの視点でデザイン‐BISHOUJO化‐し、立体化するシリーズです。
メインアーティストである山下しゅんや氏を中心に、ジャパニーズテイストを世界へ発信するフィギュアを提案してまいります。
2009年のシリーズスタートからついに15周年を迎え、今後も更なる広がりを見せるBISHOUJO達にご期待ください!