アリス・ギア・アイギス×創彩少女庭園コラボ 作例紹介「佐伯 リツカ アクトレスVer.」④【塗装解説編】
企画の亀山Pです。
アリス・ギア・アイギスコラボ作例の「佐伯 リツカ アクトレスVer.」の紹介も最終回です。
前回は工作部分の解説を行いましたが今回は「塗装」について少しと「こだわりポイント」についてご紹介します。
まずは塗装工程について
塗装に入った時点で残り二日しかない状態(ほぼ土日しか使えない)。
できるだけ無駄なく作業を進めたいということでマスキングの回数が少なくて済むように事前にシミュレーションを行っています。
とはいえ、下地の白塗装などを省いては肌やスーツの明るい色の発色が悪くなるので丁寧にするところはしっかりとやりましょう。
ひとまずフレッシュを吹き、その後にスーツホワイトを吹く前にマスキングする様子。
フレッシュの上から吹いた色がはみ出したら地獄なのでマスキングゾルも使って念入りに。
時間がない時は焦って変なメンタルになりますが、私はプラモデルの工程で塗装が一番好きです。
元々イラストを描くのが好きなこともあり着色という工程に馴れているからかもしれません。
スーツホワイトはヘキサギアカラーのホワイトをそのまま使おうかと思いましたが、フレッシュとの差があまりないと肌と見間違う可能性があったので敢えて濃くする方向性でいくことにしました。
ヘキサホワイトにタンを足しただけではなくややグリーンに濁っている感じを目指しています。
着々と塗装が進んでいきます。
時間がないのであまり工程についての画像が残っていません。
が、小技を一つ。
ちょうどよいマスキングシートが無かったので簡易マスク型を自作しました。
ノーヴィスのリストアーマーにあるモールドを塗り分けたい…しかし丸型マスキングテープの買い置きはないし買いに行く時間もない。
サイズが合うかどうかも分からないという状況の中考えたのがプラバンに穴を開けて簡易マスク型にする方法。
完全に密着させるのではなくプラバンと塗装したいパーツの間に両面テープを貼った分僅かな空間があり塗料を吹きすぎて流れないようにしました。
裏から
筆塗りはあまり得意ではないのと時短制作を兼ねていますがそれなりの仕上がりじゃないかと。
全体につや消しを吹いて数時間乾燥機へ
行ってらっしゃい!(この時点で月曜の朝)
ということでこの後勘合調整などもしながら組み立てとチークなどの仕上げ作業が待っています。
チーク仕上げが一番楽しいかも。
こちらが今回使用した塗料です。
下地の色が違うと当然発色の仕方が違うので一色ごとに色見本カードに塗ってから本番塗装を行いました。
今回はとくにやり直しする時間がなかったからね。
今回制作した表情パーツは4種類です。
眼の表情自体は2種類で目線の左右を作り口の表情で変化を付けました。
左の2種はリツカ夏服のものですが右の2種は星羅のテストショットを使っています。
今回はアイデカール自体をゲーム内のCGに合わせて新規制作しました。
自分用ということであまり時間はかけられなかったので製品として発売されているものに比べると粗いですね。
最初に作ったものは実際に貼りつけて表面のコート作業まで行っていましたが、ゲームのCG監修時(実際に動いているところなど)にもっと近づけたくなり新たに制作することにしました。
一番気に入っているアイドルスマイルは星羅の表情パーツなので眼の窪み部分がリツカよりも縦に短くなっており優しいまなざしをしています。
ゲーム内の表情アニメーションでもよく目を細めているのでそのイメージで制作しました。
また星羅は他のキャラクターに比べてすこしだけ唇が厚く造形されているのでリップを強調したい人におすすめです。
口の塗装はエナメルカラーを使用しています。
リップにハイライトを入れると口元が色っぽい表情になりますよ。
レイブレードのリボンは設定画に宙に浮いている想定ですと書かれていたので軸接続ではなくネオジム磁石での取り付けにしました。
軸固定だと塗膜同士がこすれてどうしても剥げる可能性が高いこともあり作例ではネオジム磁石を多用します。
リボンを取り外すとこんな感じ。
工作編では語っていませんでしたがブレード以外の部分はプラバンを重ねて接着した塊から削り出しています。
普段なら小分けして制作したものを最後に接着するという選択をしがちなのですが、長く飾っていたかったので強度重視になると信じて分割面を作らないという選択をしました。
リボンの形状は小さいこともありデフォルメしつつもブレードが発生する基部のスリットなど特徴的な部分は掘り込みました。
胸部パーツを外した状態です。
胸のふくらみはありませんが装甲の内側はこういう配色になっているとのこと。
メガロマリアのメカディテールをパテで埋め、削ぎ落して人がスーツを着ている感じに加工しています。
鎖骨と首を調整すると創彩少女の頭部との相性が格段に上がると思いましたのでパーツが余っている人はどうぞお試しください。
後の項目でご紹介しますが肌やスーツの白部分はLASCIVUS Décorのシェイドカラーでグラデをかけてからハイライトカラーでキラキラさせています。
脊髄装甲パーツの数は元デザインより1つ少なくなっています。
また一番下にあるものはフライングベースに対応する3mm穴を隠すディテールカバーの役割を持っています。
腰の反りに合わせて取り付ける必要があるので3mm軸ではなく3mmボールジョイントに加工して取り付けています。
勘合がキツイと破損したり外れなかったりするのでかなり緩めにしています。
盛ったなぁ(遠い目)
足の長さを調整したいという所から始まり「腰」「お尻」「太もも」「胸部」のボリュームを増すことで細長すぎる印象を緩和させたいという思惑だったのに…
気が付くと弾力とか布地が引っ張られる感じとかを表現したくなっていました。
一番塗分けが多かったパーツ。
マスキングテープを外すのが気持ちいい!
と、思いきや剥がしたマスキングテープの下に塗り忘れがあり血の気が引きました。
※バイオレットを塗りわすれてもう一度マスキングして塗りました。
忘れている人がいるかもしれないので補足するとこの部分はドレスアップボディをベースにパテ盛りしています。
腰パーツの前後です。
お尻側は一回り大きく盛られています。
元がまどかなのをリツカサイズにしたと言えば伝わりやすいかも。
スジボリは下書き後にエッチングソーとデザインナイフで入れていきました。
腰側面にはスカートアーマーを装着するためのネオジム磁石を取り付けています。
パテ造形なのとプラの厚みが薄くなっているのでピンバイスで穴あけ加工するときは小さな径から順番に広げていきパーツのダメージを少なくするように心がけました。
胴体の可動時にぶつかりそうな部分は塗装前から予め削って余裕を持たせたうえで、ぶつかる面にマスキングテープを貼って保護しています。
この手法はデコマスでも使われることがあります。(スカートの内側と太腿がぶつからないようにとか)
エアブラシを使った塗装自体は各色ともにベタ塗りなので「LASCIVUS Decor」のマシュマロtypeを使って肌部分を中心にグラデーションを入れました。
表情パーツのチークもこの「LASCIVUS Decor」を使っています。
肩や太ももまわりにハイライトカラーを使うときらめく肌の質感を表現できますよ。
このLASCIVUS Décorでは水着まどかが使用モデルとして起用されているのでぜひ使ってみてくださいね。
スカートアーマーは当初ノーヴィスのパーツをニコイチにしたらできないかなと思っていましたが甘かったですね…サイズが合わなかったのでスクラッチすることになりました。
ここでもネオジム磁石が活躍しています。
ここまで太腿が太いキャラクターキットはたぶんいなかったよなと思うくらいにボリュームが増した脚部です。
元デザインから大きくアレンジされた個所ではありますがこれはこれで好きな感じになりました。
付け根のジョイントはこんな感じです。
見えない部分は時短のためにそれなりに見えればOK。
ベースキットとなったプリンシパルの脚と見比べてみましょう。
ぐるりと一周させてみます。
太い!太くねぇって!という論争が始まりそう…
胸部以外を組み立てた状態です。
メガロマリアのボディなので肩周りの可動域も優れており腕を大きく前に出すことが可能。
メガロマリアのマリオネットスタイルは可動性と演技性を重視した外観は人ならざるものなれど、その可動域はまるで人のように感じられるといった構造です。
今回の作例ではその機構をもったまま外観を人に近づけた時に違和感ないかどうかをテストする目的もありました。
結果は如何でしたでしょうか?
さて、胸部が無いと下半身のボリューム感が強調されてしまいますね。
やはりこのパーツが無いと。
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というわけで4回にわたってお届けしてきたアリス・ギア・アイギス×創彩少女庭園コラボ 作例紹介「佐伯 リツカ アクトレスVer.」も間もなく終了です。
実物を見たいといってくれるファンの方もいるのでどこかのタイミングでコトブキヤ秋葉原館にて展示しようと考えています。
(ヘキサギア7周年イベントに持ち込む可能性もありますが現時点では未定)
魂込めて作ったのでたくさんの方に見てもらえると嬉しいです。
アリス・ギア・アイギスを通じて初めてリツカちゃんを知ったという方は、ぜひ他のキャラクターのことも知ってもらえると嬉しいです。
よければプラモデルのシリーズも応援よろしくお願いいたします。
それでは本日はこの辺りで失礼。
ピラミッドさんの素晴らしいデザインに感謝しつつ締めたいと思います。
またお会いしましょう。
企画/作例制作:亀山P
専用スーツ/ギアデザイン:株式会社ピラミッド / Pyramid, Inc.
© KOTOBUKIYA
© Pyramid,Inc. / COLOPL,Inc.