ジオラマ制作ってどうやるの!?
庭園日誌をご覧の皆様こんにちは。企画の亀山です。
本日はプラモやキャラクターのご紹介ではなくジオラマ制作についてのワンポイントアドバイスを行いたいと思います。
「1周年ありがとう生放送」で暦役の声優「大和田仁美」さんが人気作例の「ファンタジアナイト・リツカ」に使われていたファンタジー風のジオラマ部分を見て作り方を教わりたい!と言っていたことがきっかけです。
これも“創る”“彩る”のテーマに沿った内容だなということで作者である公式ガバナーTAKA君がブログ用にサンプルを用意してくれました。
(※公式ガバナー:ヘキサギアの上級モデラー)
同じようにジオラマを作ってみたいけど始め方がわからないという方の参考になれば幸いです。
①スタイロフォームのカット(ベースとなる部分の切り出し)
スタイロフォームとは?
一般的には家の断熱・防水・防音材として使用されるボードのことです。
切削性が良く、非常に軽い為、ジオラマ等の基礎や心材等に向いており近年ではよく使用される素材の一つです。
主にホームセンターや模型店、ネット等でも販売されています。
スタイロフォームを使用したい大きさにカットします。
カットは切れ味の良いカッター、もしくはスチロールカッター(スタイロフォーム用のカット工具)があるとより綺麗に切ることができます。
いずれも使い方を誤るとケガ等の危険性がある為、取り扱いには十分注意して製作を行ってください。
サイズ指定等、特に理由がない場合、ベースのサイズは設置する物に対して大きめにカットした方が良いです。
(後から付け足すことも可能ですが、ベース自体の強度等の問題も出てくる為、大きめにカットし、不要であれば小さくする方がトラブルになりにくいです)
また、展示物に対して広い方が世界観の演出にも一役買ってくれます。
ファンタジアナイト・リツカのジオラマ部分はキャラクターを引き立たせる為の脇役的な意味が強かったので、あえて机の上等に飾りやすいビネット的なサイズにしておりますが、こちらのサイズでもベースキャラクターを立たせるためのスペースや固定用の支柱、砕けた柱などのオブジェクトが入ることも計算して制作しています。
②大まかな構造物、床等の作成
作品の雰囲気となる構造物や模様を作成します。
こちらの項目の作業は後から追加でも問題ありませんが、構造物のレイアウトやデザイン等を実際に目で見て把握することでより詳細なイメージがつきやすいため、この段階で行っております。
今回のブロックのようなタイルであれば①で使用したスタイロフォームの余りをタイルのようにサイズを揃えた薄切りにして敷き詰めていくことで規則的な凸凹模様を演出できます。
作例『ファンタジアナイト・リツカ』のベースでは神殿や遺跡のような柱や瓦礫がありますが、こちらも全て円柱状に削ったスタイロフォームで出来ています。
スタイロフォームの接着に関しては「スチのり」等専用接着剤で行うのがベストです。
(次点で木工用ボンド等も使用できます)
※模型用接着剤(有機溶剤系接着剤等)はスタイロフォームに直接塗布すると即溶けてしまう為、接着に使用できません。ご注意下さい。
③大きな傷や破損個所のディテール追加
構造物の割れた箇所や傷、表面上の凹凸(モールド)等を追加していきます。
実物だと当然素材によって割れ方や傷のつき方などは異なりますので、作りたい物の写真や実物を見ることでよりリアルな表現に近づけると思います。
(例:身近な物だと建物の解体工事や、珍しいものであれば世界の遺跡等の構造物)
こちらのブロックではカッターや爪楊枝、鉛筆等を使って経年劣化や割れ、傷を再現しようとしています。
また、右下の大きくえぐれた部分は指先で直接摘まむようにスタイロフォームを削って欠けた感じを表現しています。
全体のバランスを見て過度になりすぎないように行いましょう。
④コンクリート補修材やジェッソ等下地材の塗布
今回のブロックでは『ファンタジアナイト・リツカ』のベースで使用したのと同じコンクリート補修材を使用しました。
詳細:https://www.asahipen.jp/products/view/28143A(外部サイトに遷移します)
こちらは使い方もボトルから直接出してすぐ使え、乾燥も早い便利なアイテムです。
また、後述の簡単な方法でより瓦礫や遺跡のようなカラーにすることができます。
こちらはヘラ等で表面に薄く塗布していきます。
③で作成したディテールが埋まってしまいそうな場合は爪楊枝等でなぞる様にして余分な部分を掬い取ります。
上記コンクリート補修材等を使用しない場合は、下地材に画材として販売されているジェッソ等を塗布します。
こちらは塗ると真っ白でスタイロフォームに塗料が乗りやすい状態になる下地材です。
白い為、どんな色の下地としても使用が可能です。
ただ、こちらは塗装をすることが前提となるため、今回は割愛いたします。
⑤表面の調整
④で塗布したコンクリート補修材は、乾燥後に200~400番目の紙ヤスリなどで全体を軽くヤスリがけすると、ヤスリがけされた部分は凸部分が少し白く風化したような風合いになります。
削りすぎない程度に軽くヤスリがけし、全体を整えます。
もし削りすぎてしまった場合は③に戻り再度塗布と乾燥を行います。
⑥小物やアクセントの追加→完成
今回は茶色の土部分に「情景テクスチャーペイント」(メーカー:株式会社タミヤ)の土を使用しました。
その他ジオラマ用の草表現で定番となるモスを細く切った後、水で少し薄めた木工用ボンド等で貼り付け、ブロックを這う「ツタ」の表現をしてみました。
花は100円ショップ等で手に入るハーバリウム用のドライフラワーを使用しています。
(ドライフラワーはスケール感を意識し、なるべく小ぶりな物を選んでいます。)
仕上げは細かい作業となるので、基本的に先の細いピンセット等を使用して作業しています。
今回は簡単仕上げということで塗装は行っていませんが、必要に応じて水性塗料で表面の汚しや、傷等のディテール追加等行うとより表現の幅が広がるかと思います。
●まとめ
今回は小さなブロックジオラマでの製作紹介となりましたが、サイズの違う大きなジオラマでも同様の過程で作ることができます。
(実は「ファンタジアナイト・リツカ」のベースも構想からほぼ一日で完成しております…!)
お気に入りのプラモデルを作ったら、まずはこう言ったシンプルなジオラマから作って合わせてみてはいかがでしょうか。
是非お試しください!
というわけで小さなブロックでジオラマ制作の流れをご紹介しました。
創彩少女チャンネルでもこのようなジオラマ制作にチャレンジしてみたいと考えています。その時には暦役の大和田さんと一緒に “経年劣化”を表現したジオラマを作ってみたいと思いますので引き続きご期待ください。
どうぞよろしくお願い致します。
ジオラマ制作/解説:TAKA(公式ガバナー コトブキヤ開発スタッフ)
企画:亀山(YUKI)
© KOTOBUKIYA