プロカメラマン直伝!フィギュア撮影ワンランクアップ講座

 


プロカメラマン直伝!
フィギュア撮影ワンランクアップ講座
スマホのカメラでフィギュアを美しく撮りたい!! 編

 

構成/五十嵐浩司(タルカス)

執筆/太田祥暉(タルカス)

監修/久保田憲

 

▲これ、スマホで撮りました!


 

はじめまして。ライターの太田と申します。

普段、フィギュア雑誌や書籍を中心に執筆をしているのですが、この仕事を始めてから数年、一つの悩みがありました。

「フィギュアを撮るのが苦手」ということです!

普段、カメラマンさんに「こう撮ってください……」とお願いするのも仕事の一つではあるのですが、いかんせん頭の中でビジュアルが浮かんでも、その通りに自分で撮ることはできない。曖昧な言葉を受け取ったカメラマンさんの凄腕に助けてもらうことがしばしばです。

そもそもカメラマンさんと違って高価な撮影機材なんて持っていないので、あんなに上手く撮れるはずもない!

とはいえ、自分でフィギュアを雑誌や公式サイトに載っているような写真が撮れたらその悩みも解消されます。

つまり、カメラマンさんに上手い撮影の仕方を教えてもらえば、スマートフォンくらいしか撮影器具を持っていない自分でも綺麗な写真を撮ることができる?

ということで、今回はカメラマンの久保田 憲さんに教えを仰ぎ、「フレームアームズ・ガール フレズヴェルク ~デート DE SESSION!!~」をスマートフォンで撮影していきます。

 

■とりあえず撮ってみたのですが……

久保田さんに教えを乞う前に撮影したのがこの3枚。

陰り、生活感が拭えない背景、更には逆光とコレジャナイ感が漂っています。なんだか頭が大きく写っているのも気になります。

撮っているときは「これだ!」と思ってシャッターを押したのに、後でカメラロールを確認するとがっかり……。

フレズヴェルクがかわいいのは当然なので、そのかわいさを写真でも引き出したいのに上手く写せなくてモヤモヤしていると、久保田さんからアドバイスを頂きました。

「ちょっと引いた状態から撮影してみて、トリミングするとよくなるよ」

なるほど……!

 

プロのカメラマンに聞いてみました!

PHASE1:「引き」でパースを調整しよう

▲レクチャー前に撮影した1枚。
頭が大きく、脚が短く見えてしまっている。

 

▲久保田さんのアドバイス通り、引いたアングルで撮影。

 

▲スマホカメラの画像編集機能でトリミングすると……

 

頭が大きくなることなく撮れた!

 

 



顔のアップを撮影したい場合も、最初から寄りで撮影するのではなく、少し離れたところから撮ればOK!

 

 ▲あえて引いたアングルでまず撮影。
あとからトリミングするので、余白などは気にせずに撮ってみよう。

 

▲トリミング中

 

自然なバランスでアップの写真が撮れた!

 

久保田さんから伝授された「引き」での撮影。

スマホで撮るとフィギュアの身体のバランスがおかしく写ってしまうのはレンズに歪みがあるから。

外側に向かうほどその歪みは大きくなるため、被写体をなるべくレンズの中心で撮ることで歪みを小さくすることができるんだそうです。

アップを撮りたいときもグッと我慢して少し離れたところから撮ることで、目で見た状態と近いまま写すことができます。

ということで引いて撮影し、その後見せたいところをトリミング!

最近のスマホの写真サイズは大きいので、トリミングしても十分きれいな画像を楽しめます。

 

 

でも、目元が少し暗いような……?

「レフ板を作って光をまわすと、顔色のいい写真が撮影できるよ」

えっ、レフ板を作ることができるんですか!?

 


PHASE2:レフ板を作ってみよう!!

簡易版レフ板は近くの100円ショップやコンビニで揃えられるもので作成可能!

ということなので、早速作っていきましょう。

材料は段ボール2枚とA4コピー用紙(白)1枚、アルミホイル、セロハンテープだけ。

段ボール1枚をコピー用紙と同じサイズにカットし、片面に貼り付けます。

もう1枚の段ボールには、一度しわくちゃにしてから広げたアルミホイルを片面を覆うように貼り付け。


これで完成です。

これだけ……? と頭の中に疑問符が浮かびながらも、実際にこれを使って撮影をしていきます!

 


PHASE3:レフ板を置いて撮ってみよう!!

▲レフ板なしで撮った写真。
全体的に暗くなってしまっている。

 

▲レフ板を置いたところ。
レフ板を立てかける重しはペットボトルでもOKだ。

 

 レフ板を左右に置いて撮った写真。
レフ板の反射によってフィギュアへの光の当たり方が明らかに変わっている。
また、スマホの自動調光の効果もあり、より見栄えがよくなった。


  

 

BEFOREとAFTERを比較してみると一目瞭然!

部屋の状態は変わらないのに、光が増えたような明るさになりました※。

それと同時に冷たい雰囲気から明るく活発なイメージに変化したことが一目で分かります。

※撮影時にスマホが自動で調光してくれたことも起因しています。レフ板使用に加えスマホカメラの明るさを調整することでより写真のクオリティがアップします!

 

 

ちなみにコピー用紙とアルミホイルの2種類のレフ板を作りましたが、違いは光の反射

アルミホイルの方がはっきりと光を反射させて、コピー用紙の方はよりやわらかく反射させる印象です。

(アルミホイルをしわくちゃにしたのは、光を乱反射させるため。そのままのアルミホイルでレフ板を作ると鏡のようにギラっとしてしまうので、少し使い方が難しくなります。)

 

 

随分上手く撮れるようにはなりましたが、残念なことが一つ。

やっぱり背景に生活感が漂っていて、雑誌や公式サイトに載っているような写真とは違って見える……。

「じゃあ、背景に紙を使って撮影してみようか」

それだけで本当に見え方が変わるんですか?

 


PHASE4:背景紙を使ってみよう!!

▲フィギュアに合わせて好きな背景を選ぼう。
フィギュアの大きさにもよるが、包装紙くらいの大きさがあるといい。

 

▲机を壁際に寄せて、マスキングテープで背景紙を固定中。
壁に沿わせるのではなく少したわませる。
これは白のケント紙。

 

▲撮影中。
久保田さんからお借りしたグレーの背景紙も使ってみることに。

左からは自然光が当たっているので、右のみレフ板を置いている。

 

グレーの背景紙で撮影した写真。
「引き」「レフ板」に背景紙が加わり、かなりクオリティが上がっていることがわかる。

 

商品のパッケージ内に付属する台紙を壁紙にすると、こんな写真も撮れてしまう。

 

ここで準備したのは、文具店で購入してきた画用紙など。フィギュアの箱に入っていた背景紙も活用します。

「折り目を付けずに背景紙を貼る」のは、折り目が付くと奥行きが決まってしまうから。

水平線のように果てが見えないようにするには、折り目を付けない方が良いそうです。

そして先ほどのレフ板も活用しながらフレズヴェルクを撮影すると……。

おっ、かなり綺麗に撮れているんじゃないですか!?

「綺麗に撮れたね。他にもこういうやり方もあるよ」

久保田さんが取り出したのは、アームクリップと懐中電灯?

 


PHASE5:ライティングしてみよう!!

▲小型ライトと、レフ板を空中で固定するためのクリップを用意しよう。

 

▲セッティング状態。
レフ板が上にあるため、下から照らしたライトの光が反射してフィギュアに当たっている。

 

▲撮影中。果たして、ライティングの効果は……?

 

ライティングを行うことで陰影がクッキリして、フィギュアとしての立体感が際立つ。

 

先ほどのグレーの背景紙やパッケージの台紙を使った写真は太陽光を利用したものでしたが、もし陽の入りが悪かったり夜だったりしたら同じような写真が撮れないのかといえば、そうではありません。

そこで、これまた100円ショップで購入可能なアームクリップと懐中電灯を用意。

アームクリップにはコピー用紙を貼り付けたレフ板をはさみ、懐中電灯の明かりを反射して撮影をしてみました。

懐中電灯をフィギュアに直接当ててしまうとギラついてしまい影も濃くなってしまうので、レフ板に反射させるように光を当てる方がいいんだとか。

そして太陽光を利用する場合でも懐中電灯とレフ板でライティングする場合でも、室内の照明を消す方が良いそうです。

教えに従って撮影してみると、綺麗な写真が完成!

手軽に光源を作って、雑誌や公式サイトに載っていてもおかしくない写真を撮影することができました。

これでずっと悩んでいた「フィギュアの撮り方」も解決……!

 

この写真が

こうなりました!

 

みなさんもお手持ちのフィギュアでぜひ試してみてください!

カメラマン久保田憲さん、ありがとうございました!!

 

プロフィール

久保田憲

フリーカメラマン。東京都台東区のスタジオを拠点に、広告、Web、出版物等の物撮影をメインに活動中。フィギュアやプラモデル等の撮影すること20余年。趣味はアウトドア。ネコ好き。絶叫マシンとニンジンが苦手。

Facebook:https://www.facebook.com/ken.kubota.10

 

▲久保田さん、熱心にご指導いただきましてありがとうございました!!
これでフィギュアの撮影に自信がつきました!!(太田祥暉・談)

 

 

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2021年8月28日(土)10:00~9月30日(木)23:59まで

 

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