-
リアルタイプを汚そう!(後編)
メガミマスターの皆様こんにちは! 4月1日を全く意識していなくて、エイプリルフールネタを投下できなかった鳥山です。 来年は「メガミデバイスハリウッド映画化決定! 日本語吹き替えは豪華芸能人!!」 みたいなのをやれたらと思います。 さて、週刊リアルタイプを汚そう!ですが、ようやく本日で終わりです。 中編に引き続き、汚しと言うよりプラモの作り方HOW TO色が強めですが、案外求められている印象もありましたのでアリかなと思っています。 では参りましょう! WISM・ソルジャー アサルト/スカウト リアルタイプ はコチラ WISM・ソルジャー スナイプ/グラップル リアルタイプ はコチラ デカールを貼ります。 貼り方は取説に記載されているのでココでは説明しませんが、テクニックを2つ。 バイザーなどの3次曲面にデカールを貼る際、どうしてもシワができる場合があります。 その場合 「デカール軟化剤+蒸しタオル」 という古の技法が効果絶大です。 貼る面に軟化剤を塗布し、デカールを乗せ手早く位置決めします。 どんどんデカールが柔らかくなっていくので、あまり時間をかけないようにしましょう。 上の写真の矢印部分に若干シワが見られます。 蒸しタオルで熱を加えるのですが、 蒸しタオルなんて居酒屋か床屋さんにしか存在しない ので(ウソです)、簡易蒸しタオルを作ります。 キッチンペーパーを水で濡らして、20秒ほどレンジでチン。 熱々の 蒸しキッチンペーパー が簡単に出来上がるので、パーツに優しく被せて放置します。(火傷しないようピンセット等で取り扱ってください) 蒸しキッチンペーパーが冷めたら取り外しましょう。シワになっていたところが綺麗に密着します。 リアルタイプのデカールはそこまでしなくても十分貼ることが出来ますが、模型技法のひとつとしてご紹介しました。 デカールテクニックその2は 「シルバリング修正」 です。 シルバリングとは、パーツ表面とデカール裏面の間に微細な空気が入り込んでいる状態で、見る角度によってはデカールの透明部分が白く光って見える現象です。 せっかく綺麗にデカールを貼ってもシルバリングがあると台無しですので、できるだけ修正しましょう。 ①丸の中がシルバリングを起こしている状態です。 ②今回は密着を強固にするためマークセッターを使います。デカール部分に塗布して、 ③シルバリングを起こしている箇所を針やナイフの先などでツンツン突きます。デカールに空いた小さな穴からセッターが入り込んでいきます。 ④一通り終わったら綿棒を優しく転がして水気をぬぐって完了です。 つや消し塗装面など、表面がザラザラしている面はその微小な凸凹に空気が入り、シルバリングを起しやすいので、可能であればツヤ有り面にデカールを貼るのが理想です。 そうもいかない場合は上記の方法である程度解消できますのでぜひやってみてください。 また、今回はマークセッター(糊成分が入っている)を使いましたが、新しいデカールは糊成分が十分生きていますので、水やソフターで十分な場合もあります。 デカールがきちんと貼れたら、少し乾燥させてツヤを整えましょう。 ガイアノーツさんのフラットクリアー はしっとりとしたいい感じのツヤ消しを得られるのでおススメです。 塗装の持ち手についての小ネタを。 メガミのジョイント穴はご存じの通り3mmのところが多いので、いらなくなったランナーを切って突っ込めば簡易持ち手として使えます。 咥えるところが無い場合にご活用くださいませ。 ツヤが整ったら組み立てましょう。ココでまた小ネタをひとつ。 WISMのパンツ は、前後組んだ状態で胴体に取り付けることが出来ます。 ①股間のT字を長めに下げておきます。 ②パンツを捻りながら股間軸を通します。 ③④腰の引っ掛かり部分に片側ずつパチンパチンとハメて出来上がり。 パーツや塗装面が削れる場合がありますので、心配な方にはお勧めしません。 あくまで小ネタという事でよしなに。 デカール貼り込み、ツヤを整えた状態です。 情報量がグンと上がってカッコ良くなりました。 (取説の指示とはアレンジして貼っている部分もあります) 個人的趣味で肩アーマーを 赤 くしたのはスルーしてくださいませ・・・・ デカールだけが綺麗だと浮いてしまうので、少し汚しを追加して馴染ませましょう。 やり方は前編で紹介したウェザリングと同じです。 リアルタイプと言えば銀ハゲチョロ を加えねば気が済みません。(個人の見解です) ナイフやカカトのアウトリガーなどに銀を少しドライブラシ。 いよいよ最後の工程です。 ステインブラウンでサビを少し入れます。赤みが加わって、より情報量が増えますよ。 チョンと色を置いて、エナメル溶剤を含ませた筆でボカしたりふき取っていきます。綿棒でもOKですが、ダークブラウンの汚しよりスジをハッキリ出したかったので、個人的に筆の方がコントロールしやすいです。 重力方向を意識しながら少しずつ入れていきましょう。 デカール貼り付け後にトップコートしているので、最初に施した汚しが落ちることはありません。 あまりやりすぎると 本当にポンコツに見えてしまう のでやりたい気持ちをぐっと堪えて少しずつ・・・・ 足元には砂埃を少々。 バトルステージ「荒野」をイメージしています。 GSIクレオスさんのサンディウォッシュ は乾いた埃を簡単に表現することが出来ますので超おススメです! そして完成しました! 使い込まれた武装を纏った ベテランメガミ 感が出てますでしょうか。 マフラーはティシュペーパーをエナメルの赤で染色して作りました。製法は火を使ったりして少し危険なのでココでの解説は省略します。 さてさて、三週にわたって書かせていただいた 「リアルタイプを汚そう!」 はいかがだったでしょうか。 塗ってみたい、汚してみたいとお考えのメガミマスターの皆様の参考に少しでもなれば幸いです。 今後も作例記事的なものをやっていきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。 メガミデバイスは作る、造る、創る人を全力で応援します! ではでは! 鳥山とりを(プラモと水さえあれば生きていけるメガミP)
READ MORE
-
リアルタイプを汚そう!(中編)
メガミマスターの皆様こんばんは! 最近商品プロデュースやら3Dモデリングやらで手原型仕事がご無沙汰気味。久々にエポキシパテを引っ張り出して来たら硬くなって使い物にならなかった鳥山です。 エポパテ賞味期限あるんですね。 さて、マニアック連載「リアルタイプを汚そう!」ですが、なかなか時間が取れず3部に分けることにしましたごめんなさい。 しかも今回 “ウェザリングに全然関係ない” ことやるグダグダっぷりですがお付き合いの程。 前回はメカ(フィールドグリーン)をウェザリングしたところまででした。 本日は肌、髪の毛を仕上げていきましょう。 WISM・ソルジャー アサルト/スカウト リアルタイプ はコチラ WISM・ソルジャー スナイプ/グラップル リアルタイプ はコチラ 付属デカールを貼って視線を変更したいので、肌にシャドウを入れる前に製品にあらかじめ施されているアイプリントを落とします。 ラッカーうすめ液を綿棒に染み込ませてゴシゴシ擦ると綺麗に剥がすことができます。 WISM・ソルジャー アサルトの肌部成型色はFAガールと同じカラーなので、先日発売された “ガイアノーツさんのシャドウフレッシュ” を使ってみようと思います。 シャドウと銘打ってありますが、非常に鮮やかで素晴らしい発色です。これはマジ おススメ ! プラの成型色を残しながら、陰になるところ、エッジなどにシャドウフレッシュを吹いていきます。 前回同様、やや薄目に希釈し、エア圧低めでじわじわ吹いていくと失敗しにくいです。 立体感が強調されました。 胸とおへそとおしり辺りを塗るのは本当に楽しく永遠に続いてほしいひと時ですよね!! ふひひ。 髪の毛にも変化をつけましょう。 橙黄色をベースに、茶色、白を加えて、少し暗く調色。 肌と同じように吹いていきます。 頭のテッペンは中心を除いてサークル状に極ふんわりと白を吹いてハイライトとしました。 成型色には無い深みが徐々に付いていきます。 肌のシャドウが完了していますので、瞳デカールを貼ります。 貼り方は取説に書いてあるので省きますが、一発で決めようとせず、前髪をつけたり外したりして確認しながらじわじわ微調整しましょう。 フェイスパーツだけでは完璧と思っても、前髪をつけたらアレレ?となりがちですので面倒がらずに。 私はプラモで一番大事な工程は仮組だと思っています。 位置を決めたらマークソフター等でデカールを軟化させ、目の凹凸にぴったりと貼りつけましょう。 シルバリング対策にもなります。(シルバリング修正については次回詳しく書こうと思います) ちょっと写真ではわかりにくいのですが、口の凹みにエナメルのピンクを面相筆で塗ります。 エナメルなので下地を剥がさず何度でも調整できますので心ゆくまで。 好みの話ではありますが、あまり赤すぎたりハッキリしすぎていると 生肉喰った後 みたいになるので、ほんのりピンクがよろしいかと思います。 デカール、口のピンクなどが整ったらトップコートしましょう。 肌、髪はつや消し仕上げにすると全体のまとまりが良くなります。次の工程で行うパステルの乗りにも違いが出ますよ。 今回は去年末発売後多くのモデラー達が絶賛している “GSIクレオスさんのプレミアムトップコート” を使ってみます。 コレ、ホントに おススメです! (このブログ、良いものは全力で推していくスタイルで行きます) トップコートが乾燥したらいよいよ肌の最終工程。 みんな大好きヌーベルカレーパステル14番 の登場です。 この小さな1本でFAガールとメガミデバイスを何体作ることが出来るのでしょうか。使い切る前にお迎えが来るのは確実です。 詳しくは取説に書いてありますので省きます。 ほっぺたに乗せるというより、目の下(そして目じり寄り)に乗せる感じにすると、塗装見本のイメージに近づきます。 パステルは水を含ませた綿棒などで除去できますし、練りゴムでポンポンと軽く叩くようにして濃度調整もできます。 今回は肩にも少しパステル乗せました。 「取れちゃわないですか?」 と質問されることが良くあるのですが、つや消し面へのパステルは案外定着するもので、取扱いはあまり神経質になりすぎなくて良いと思います。取れたらまたやれば良いくらいの気持ちで行きましょう。 チークの上にエナメル白でハイライト。 私は爪楊枝の先を更に尖らせてチョンとやっています。濃すぎると糸をひいてしまいますので、気持ち薄目が良いでしょう。 補足:眉毛が薄く感じたので、眉毛デカールの上に茶系エナメルで薄く描きこみました。前髪つけたら少ししか見えませんので結構ラフにやっちゃっても大丈夫です。 肌と髪が完了したので仮組です。 1に仮組、2に仮組、3~4が無くて(以下略 だいぶ「手を入れた感」が出てきました。 もう愛着わきまくりです。ぺろぺろ。 ここで気づくのですが、武装のウェザリングが濃ゆいので肌のシャドウはもう少しキツ目に入れても良かったかなとも。 追加するかどうかは来週まで考えておきます。 おまけ工作です。 展示ベースのジョイント、G2パーツは首のボールジョイントと同じ大きさなので、ランナーを適当な長さに切って挿し込み・・・・ 首の凹に挿し込むと ヘルメットホルダーに早変わり 。 3mmカスタム穴ならどこにでもヘルメットをぶら下げることができます。 G2とランナーは接着しなければいつでもバラせるので、展示ベースに再び使用することも可能です。 さて、 「需要があるのかないのかわからんブログ」 と書いたら多くのメガミマスターから励ましのメッセージをいただきまして、ありがたい限りです。 「作る、造る、創るを全力で応援します!」 に偽りなく、普通であれば公式がやらないような 「作って楽しむ記事」 を隙あらば挿し込んで参りますので引き続きお付き合いいただけますと幸いです。 ではでは! 鳥山とりを(偉そうに書いてるけど顔や髪の毛の仕上げが超苦手なメガミP)
READ MORE
-
リアルタイプを汚そう!(前編)
メガミマスターの皆様こんにちは! プラモの疲れはプラモで癒やす。鳥山です。 さて先月のWFで先行販売し、現在絶賛ご予約受付中の WISM・ソルジャー リアルタイプ ですが、入手された方は既に組み立てて遊んでいらっしゃいますでしょうか。私も作りたくてうずうずしていたので、本日から作り始めてみようと思います。 WISM・ソルジャー アサルト/スカウト リアルタイプ はコチラ WISM・ソルジャー スナイプ/グラップル リアルタイプ はコチラ リアルタイプと言うからにはガッツリと汚し塗装を楽しみたいですよね。 成型色を活かして汚し塗装を行うハウトゥ記事が模型誌に載ることもしばしばで、実際にチャレンジされているモデラーさんも多いと思います。 更にひと手間加えて、オリジナリティを出してみようというのが今回の趣旨です。 エアブラシを使うので少しマニアックなお話になるかと思いますが、ご興味のある方はお付き合いくださいませ。 ではさっそく始めてみましょう! WISM・ソルジャー アサルト/スカウト リアルタイプを使います。 今回は素体モード、武装モードの組み換えはオミットして、半武装モードで作ってみます。 また、汚し塗装を楽しむのが目的なので、丁寧なゲート処理や合わせ目消しは行いません。 プラモデルには離型剤というプラスチックを金型からスムースに抜くための油分が付着していることがありますので、塗装を楽しむ場合は中性洗剤(お皿洗う洗剤でOK)で軽く洗っておきましょう。 塗装の失敗を軽減できますよ。 水気を切って、ある程度乾燥できたらビシバシ組んでいきます。 今回は全塗装しないので、ゲートをきれいに切り取るには切り口が白化しにくいニッパーを使うのが良いでしょう。 有名な ゴッドハンドアルティメットニッパー は大変優れており、一丁持っておきたい工具ですね。 塗装や汚しを行ってから肌色パーツを組み付けるので、分解しやすいように接続ピンに一工夫。 丸棒ヤスリをグリグリと突き刺して穴を広げると勘合が緩まり再分解、再組立てがしやすくなります。 他にピンを短く切ることでも同様の効果を得ることが出来ます。 分解の必要がないところは組み立てた後、合わせ目に流し込み接着剤を少量使って接着しておくと、エナメル塗料の沁み込みに対して少し安心感が出ます。 (エナメル系溶剤は、テンションのかかっているところのプラを脆くする困った性質を持っています) 接着時にはくれぐれも関節を固めてしまわないようご注意ください。 本日塗装するグリーン系パーツが揃いました。 いよいよ塗装開始です。 取説指定のフィールドグレー(2)と白を用意。 エアブラシは標準的な0.3mmノズルです。このくらいのプラモを塗るには一番使いやすいタイプ。 フィールドグレーと白を半々くらいで混ぜました。 成型色が比べるとビックリするくらい白いのですが、今回は汚しが目立つ色としてあえて明るめに調色しています。 あと、ちょっと オリジナリティ を出したかったのです。ハウトゥブログなのにモデラーの悪いクセが出ました・・・・(苦笑) このあたりはお好みで。(もちろん成型色にそのまま汚しでも構いません) やや水っぽく希釈して、コンプレッサーの圧を低くし、じわじわと吹いていきます。 斜め上からの光を想定して、光が当たりそうなところがより明るくなるよう、逆にエッジや影になるところは成型色が見えている状態でややランダムに。 この後汚すので、粒子の粗さや少々の吹き残しはあまり神経質にならなくても構いません。 これで楽しい楽しい汚し作業のベースができました。 エナメル系塗料登場。 エナメル塗料は下地のラッカー系塗料の上から塗っても溶かさない性質がありますので、重ね塗りが可能なのです。 今日は右側のダークブラウンを使いましょう。 スミ入れ塗料やウェザリング塗料はメーカーによって濃度がいろいろあるのでお好みでチョイスされるのが良いでしょう。 可動箇所にエナメルがサーッと入り込まないように、 ある程度濃いめ で使ってみます。瓶の底に溜まった濃ゆいところをすくいつつ、筆で塗っていきます。 スミ入れとウォッシングをいっぺんに行うので、スジ彫りなどの凹んだところや、陰になってほしいところ、更にエッジ付近に書く感じで。 全体にバシャバシャ塗ってもOKですが、その分全体的に暗くなっていくので、今回は最低限に留めました。 半分くらい乾いたかなくらいのタイミングで、エナメル溶剤を軽く含ませた綿棒でふき取っていきます。 全部綺麗に拭ってしまうのではなく、エッジや影になるところにダークブラウンを残しながら、時に軽く叩くようにして汚れがこびりついた感じを出したり好きなだけ楽しみましょう。 上下にタッチを入れると自然な感じにもなります。 重力方向を意識するのがキモです。 エナメルが乾燥した後や綿棒に含ませる溶剤を極端に少なくしたふき取りで、よりゴワゴワした汚れ感を出すこともできます。 このあたりは何度か試してみて好みのタッチを探しましょう。 少しコッテリ目にフィニッシュしてみました。 一ヵ所ばかりやってると目が慣れてきてしまって全体の感じが掴見にくくなりますので、ざっくりやった後仮組を行って確認するのが大切です。 ガンメタ、肌色のパーツは塗装前ですが、仮組してみました。 使い込まれた感じが出てますでしょうか? 足元を少し強めに汚して暗めにしておくと、重量感が出て安定感を得ることが出来ます。(メガミに重量感が必要かは置いておいて・・・・) 無塗装の頭部に差し替え。 うはは。可愛い可愛い。 もう少しメリハリ付けたいなと思うところもありますが、他のパーツも仕上げつつ様子を見ながら徐々にやっていきたいと思います。 と言うわけで、 需要があるのか無いのか全く分からない汚し塗装ブログ(前編) はココまでとします。 次回は、ガンメタ部の塗装、肌色&髪の毛のシャドー吹き、デカール貼り込み、サビ汚れや土埃の追加などを行いたいと思います。 塗装法、汚し法はモデラーの数だけあると思います。 本ブログはあくまで私の好みで行っていますので、これが正解と言うわけではありませんが、汚し塗装にチャレンジされたい方々のご参考になったら幸いです。 来週できるかはまだ未定ですが、 後編をお楽しみに! ではでは! 鳥山とりを(肩アーマー赤く塗ろうかなと思い始めているメガミP)
READ MORE